2019.02.10/院長BLOG
病気のお話4
今回はワンちゃん🐶、その中でもミニチュアダックスさんに特に多い椎間板ヘルニアのお話です🙂
椎間板ヘルニアにはⅠ型とⅡ型がありますが、ミニチュアダックスさんなど軟骨異栄養犬種に好発するのはⅠ型で髄核の脱水や変性に起因した髄核突出により神経が圧迫され生じます😨😨
“抱っこしたらキャンと痛がった”とか“階段を登れなくなった”などの異常を訴えられる飼主さんが多いです。この病気は人でも激痛で動けなくなると聞くので相当痛いんだと思います😖💦
治療法は症状の軽い子は内科的治療、症状の重い子や内科的治療に反応しない子は外科的治療が選択されます💊💉
今回のワンちゃんは10月に歩き方がおかしいということでご来院され、その時は内科的治療に反応したのですが再発してしまい、今回内科的治療に全く反応しなかったため手術することになりました😨🏥
手術は背骨を削って窓をつくり、逸脱した髄核を摘出し圧迫を解除する目的で行われます。
背骨の骨模型です。青で囲った箇所が逸脱した髄核で上に通っている神経を圧迫しているためこれを除去するために骨を削って窓を作成しています。
今回のワンちゃんは術前、両後肢が完全に麻痺して前肢だけで歩行する状態でしたが、術後3日後に自力で立ち上がれるようになり、術後1週間で短時間ならお散歩ができるようになり、術後2週間で麻痺も残らず以前のように歩ける様になりました😀🎉
神経は障害を受けている時間が長いほど機能回復にも時間がかかり、場合によっては完全に回復しないため、内科的治療に十分に反応しない子は早めの手術をお勧めしています😀
2018.11.24/院長BLOG
病気のお話3
今回は“橈骨尺骨骨折”のお話です🐶😀
橈骨尺骨の骨折は“トイ犬種で多発する骨折”です😨💦
抱っこしていたら暴れて飛び降りたなどの理由で骨折してしまうワンちゃんが多いようですが、中にはごはんの時間になり嬉しくて飛び跳ねていたら着地に失敗して骨折したなんて子もいました😱
トイ犬種の橈尺骨骨折、何が厄介かというと“折れやすいだけでなく治りにくい”んです😰💦
更に治っても骨が硬くなり”以前よりも折れ易くなります”😖⛈
そのため手術するにあたり色々な策を講じる必要があります。年齢や犬種、折れ方の違いにより治療方法を変える必要があります。
今回骨折してしまったワンちゃんはトイプードルさんです。整復固定にはロッキングプレートを用いました。このプレートは骨と接触する領域が最小限になるように設計されているため、”骨に優しく合併症が起こりにくい”とされています。
術後はおうちで安静にして頂き定期的にレントゲン検査で骨の反応を見ていくことになります。
年齢や折れ方にもよりますが、通常は3ヶ月前後で癒合します😀🌞🎶
万が一骨折してしまった場合、初期の対応が大切です。
お早めに動物病院に連れていきましょう💦🚗🏥
2018.10.15/院長BLOG
病気のお話2
今回は猫ちゃんの”子宮蓄膿症”のお話です🎃🐱
発見・治療が遅れてしまうと亡くなってしまうこともある怖い病気です😰😰😰
猫ちゃんは数日前から寝ている事が多いという事で連れてこられました。🏥🚗
よくお話を聞くと2カ月位前から水をよく飲み、数日前からお尻の辺りが濡れているとの事でした。嘔吐は一度だけで食欲はあるようです。この症状を聞くと獣医師は必ずカルテを見直します。『避妊していないな。子宮蓄膿症かもしれないな❓🤔』と頭の片隅に置きながら鑑別診断を進めます。血液検査やレントゲン検査で異常は認められません。エコーで子宮を細かく確認すると、、、右の子宮に2mm左の子宮に6mm程の液体貯留が確認できました😨
他に何も異常がない事から子宮蓄膿症と診断し、治療の第一選択は”外科的に卵巣子宮を摘出すること”なので、すぐに手術をすることになりました。実際に摘出した子宮は拡張していて、中には膿が貯まっていました😨💦
手術後、猫ちゃんは無事元気になりました😀🎉
子宮蓄膿症には開放型と閉鎖型があり、この子の場合は開放型で膿が絶えず体外に出ていたため重症化しなかったと考えられます。
またこの病気は猫さんよりもワンちゃんで多い病気なのでワンちゃんを飼われている方で上記の症状が認められた場合はすぐにお近くの動物病院へ連れて行ってあげて下さい🏥🐶
もちろん、繁殖などの目的がなければ若いうちに避妊手術をしておく事をおすすめします😄🎶
2018.09.21/院長BLOG
病気のお話1
はじめまして、院長の渡邊と申します☺️
今後ブログで病気のお話、臨時休診日、キャンペーンなどの情報を発信していこうと思いますので宜しくお願い致します☺️
今回は近年よく話題になるマダニ媒介性感染症のお話です😖
マダニによる直接的な病害には吸血による貧血やアレルギー反応があり、動物病院でもひと昔前まではワンちゃんネコちゃんに対する直接的な病害を防ぐために積極的にマダニ予防を啓蒙しておりました。しかし、マダニ媒介性疾患(ウイルスや細菌などがマダニを介して人や犬に感染する)にも注意しなければなりません‼️
もちろん、日本紅斑熱など以前から報告されていたマダニ媒介性感染症はありましたが、その致死率の高さから近年注目されているのが重症熱性血小板減少症候群(SFTS)です。2011年に中国で報告されて以降、日本でも毎年60名程発生しており、ヒトでの致死率はなんと20%😱‼️
今の所大阪以西での発生のため全国に分布するフタトゲチマダニではなくタカサゴキララマダニなど西日本に分布するマダニの媒介が疑われていますが、フタトゲチマダニからもウイルスが分離されているため注意しなければなりません。
ウイルスを保有するダニに吸血される、あるいは発症した動物や人と濃厚に接触すると感染するとされているため、とにかくダニを寄せ付けないことが重要になってきます🐶
夏から秋にかけてダニの活動が活発になります。しっかりとダニ対策をしてお外に出ましょう😃🎵
フタトゲチマダニ タカサゴキララマダニ